扉の気持ちになってみる夏。
2009年 07月 12日
学校祭まであと5日と迫る7月12日日曜日、学校中が音楽と黄色い声に満ち満ち、はちきれそうで、その片隅に美術室がある。守られていると感じる。私美術室に守られている。美術室の床にひしめく絵の具たちが、立ち上がって身を振りほどいて視界を舞う。この空間を隔てている扉のことを考える。ボールをぶつけられる度、賑やかな声を廊下に響かせている外の顔、石膏像のデッサン(某予備校ポスター)でぴったり目鼻口を封ぜられている内の顔……。扉の気持ちになってみようか。あなたにとって、私はどんな存在?
絵がひと段落した後、午後から市民ギャラリーへ
道教育大学岩見沢校美術コースの学生の展示〈七月展〉を見に行く。
日本画研究室や版画研究室の人に、気に入った作品が多かった。
最近、赤よりも緑や青が気になる。でも、相変わらず女の人に弱いのだった。
ドニチカ(札幌市民ならみんな知っている、500円で1日地下鉄乗り放題の土日祝日限定切符)を買ったのに、ほとんど徒歩で移動したため、結果むしろ損をしてしまった。阿呆だ……。いやしかし、そのときは一駅分くらい歩かなければいけない気がしていたのだ。そんなわけで、てくてく歩いていった私だった。
サマーバーゲン。なぜ季節が変わるとバーゲンなんだろう。答えは明瞭、気候に合わせて人間は衣替えをする生き物なのだ。しかし、どう見ても一年中同じ格好をしている人たちが街にあふれているよ。
本屋を二つハシゴ。
「yom yom」の見返しにあるTSUBAKIの広告は画期的だと改めて思う。一見普通の短編小説やエッセイのように作家の文章が書き出されるが、終わりのページで「日本の女性は美しい」という言葉と共にTSUBAKIの赤いボトルが提示される、というシンプルなもの。初めてこれを目にしたときは、ひどく感動した。何が一番楽しいかって、シャンプーの宣伝に対して女性作家が如何にサービスするかという一点にあるのだ。「編集会議」でこの広告についての記事を読んだことがあるが、髪に関する言葉や題材を用いるなど、文章に対して規定は一切なく、花王側からは全く注文しない、完全に新潮社に任されている広告だとか。今回の執筆者は金原ひとみ。うーん、疲れた感じが彼女らしくてとてもいい。髪が美しいだとか、髪が好き、一切書かれていないが、日本の女性の現実を淡々と描く中に、何となく美しさが見えないこともない。記憶の中では川上未映子、川上弘美、あさのあつこ、山本文緒が執筆者に登場してきたと思う。人気の女性作家をどんどん起用していくのかな、楽しみだ。ちなみに資生堂TSUBAKIのHPでも読めますよ。
「文學界」の扉の詩は中島悦子。この方の詩集を買おうか迷っている。
ずっと気になっているのだが、読んだら、
必要以上に影響されてしまいそうなので恐ろしいのだ、ずっきゅん(読めよ……自分に突っ込みたい)。
詩誌「洪水」の表紙に二条千河さんのお名前を発見し嬉しくなる。
めくったところを片っ端に読む。「洪水」の実物を初めて見た。執筆陣が豪華だなあ。
本屋を後にして、街へ出た目的の甚平(学祭で着るのだ。すばらしきお揃いるっく。服装だけでも周りに合わせなければ放射能が漏れだして大変たいへん)を買いにぷらぷら歩く。四プラに行き着いたので、ふらっと寄ってみたところ、例のごとくバーゲンバーゲン。店内最大70%オフでええす、と声を張りあげている店員の横を通りながら、「30%で、利益が出るような服売っているのかよ」と心の中で悪態をつきつつも、なぜか値下げされていない服を買ってしまった私だった。他の店で曼珠沙華柄の甚平を無事購入。
狸小路ラルズの古本市へ行く。
書肆吉成も出店している。
じっくりじっくり古本の山をチェック。太宰読まないとか言ってたくせに、「人間失格」買ってるし笑。だって文庫50円なんだもん。「人間失格」「はつ恋」「異邦人」と、なぜか「1973年のピンボール」(初読は中一のときだったと思うけど、正直意味不明に感じた初期作品)、4冊で200円なり。水出みどり詩集「髪についての短章」、大庭みな子「花と虫の記憶」(函入り娘に一目ぼれ。装画が魅力的で、ずっと見ていたい)、「未来創作 創刊号」(そう!あの某出版社のですっ。不思議なことに某出版社が潰れた途端、この本が哀愁を帯びて私に迫ってきたのですっ。拝啓、詩人社長お元気ですか)も買って900円。はー、満たされたあ。
気づけば、図書館の本も含め読んでいない本が山々。いやあ、これから消化するのよ。私の胃袋は底知れないからね。読書界のギャル曽根みたいな存在になるんだ。あ……野望を語っている。もう流れる川のように活字を受け入れたいっ、ってなんのこっちゃ。
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by moonpower0723
| 2009-07-12 23:46
| 美術部の人々、札幌アート