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皿の上に林檎をおけば、さいげんなく皮ほどけゆく、これはじゅんかん。

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喉の奥を背かせても/吸いこんで吸いこんで身をくぐらせる。/「眼球なんてしこりです、でも /修飾に甘んじるわたしたち/お話ししよう、吹きすさんで/音を踏む(蓋下ろされる間近に声を絞って)/朝、「鳴き足りない」とばかりに震える定刻/端的に言えば「まぜるな危険」/血球の中は風通しがよくて/(魔女はこの声と引き換えに私を詩人にしてくれた)/ほどなくして、全てがほのめかされました/ここで待てば会えるのでしょうか/身重の女の隣でまるくなって眠る/飛び交う短冊の名前は「なれますように」「なれますように」 /誰かと結びつくためにある、差異/みぎ肩を撫でて、沈みゆく澱(おり)/手首は秒針と共に脈打つので/みっつ 羽蟻のようなかぼそさであなたを貫きたかったこと/皿の上に林檎をおけば、さいげんなく皮ほどけゆく、これはじゅんかん。/刃先のゆるみを許さないから、裂けていく あたらしいくちびる/ほとばしらないで、まだここにいて って私 紙ヒコーキを折り続けてしまう/花序に縛られるのは厭 このくびすじに鎌を振るって/ 嘘つき! 別々に濡れながら、私たちは同じことばを口にしていた/あいつの赤は僕の青だから 渡れ。/隠喩の縫い目を光もまた見つけられない。/暗喩の縫い目を照らし出そうとして/紙のうつわに底光りする。



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「現代詩手帖」のツイッター連詩企画に投稿するかたちで
2010年7月1日から6日にかけて、突発的に飛び出してきたことばたちです。
なお、この内の4句は「現代詩手帖」編集部に採用され、
「現代詩手帖」8月号の連詩「テスト。これはあなたに、」の一部として掲載されました。

by moonpower0723 | 2010-09-13 13:02 | ことば

文学少女は詩人をめざす


by moonpower0723