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大野一雄さん死去――「石狩の鼻曲り」

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舞踏家・大野一雄さんがお亡くなりになったことを知ったのは、1日の深夜だった。

今年の1月、札幌のテンポラリースペースで見た「石狩の鼻曲り」の映像。
音の一拍一拍、足裏と地面の交接を、かじりつくように「見」つめた。
こちらから「見つめた」はずなのに、いつの間にか、映像に、大野さんに、「奪われ」ていた……。
見終わった後は息だけがこぼれた。ことばも声も、私には無い。
石狩川の水も、風も、空も、皆舞踏だった。役者だった。
私は鮭をねじ込まれる地面の気持ちになった。痛みをもって鮭を弔うのだ。
そして、その日見た森本めぐみさんの絵「なみなみとして、もつ」。
“救われた”心地がした。許されている、と響くように感じた。


  鮭の血と空、その赤に
    私は許されている。




大野さんの舞踏のように、
森本めぐみさんの絵「なみなみとして、もつ」のように
あの石狩川の水平線を掲げて、すっくと立っていたい。



大野一雄さんのご冥福をお祈り申し上げます。

by moonpower0723 | 2010-06-03 23:09 | 美術部の人々、札幌アート

文学少女は詩人をめざす


by moonpower0723