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「現代詩手帖」5月号 新人賞発表

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現代詩手帖 2008年 05月号 [雑誌]
/ 思潮社
ISBN : B0017YLGJM





絶え間ないうずのなかを
下っていく光を
覗き見た。
私は、
上らなくてはならない。


現代詩手帖賞の受賞特集で、作品、写真、略歴、受賞のことばが載っております。
大きな書店さんで、扱っていると思いますので、
興味をお持ちの方はぜひご覧になってください。


■作品「産声を生む」について

家で、ワンピースの下にジーパンをはくと
だいたいやってしまうのですが、ワンピースの裾を持ち上げて
わざとらしく息を切らして見せながら、
「フー、重たいなぁ」
家族は大抵ノってきてくれて
「やだー!できちゃったの?」
通称“マタニティドレスごっこ”
やりませんか?やりますよね絶対(ぇ

私は幼い頃、枕を“マクラちゃん”(センスゼロ)と呼ぶほど
枕が大好きだったのですが
ときどき、服とお腹の間に枕を押し込んで
大またで歩いたりしてました。
すると必ず母あたりが「○○ちゃん、どうしたの!」
と相手をしてくれるので、面白かったのだと思います。
今のマタニティドレスごっこは、その名残なのかもしれません。

ともかく部屋着をワンピースにしてから、
そんな遊びが私のマイブームになってしまいました。
「産声を生む」はそんな馬鹿な私を
家族も相手にしてくれなくなったの頃に書き始めました。
というと、いかにも滑稽ですが、
鏡の前でひとり何度もワンピースの裾を持ち上げているうちに
将来自分が妊婦になったとき浮かべるであろう表情を模索したり
片手で裾を持ち、もう片方の手でふくらんだ腹を無意識に描きだしていたのです。
はっと我に返ったとき、私はこれを詩に書こうと思い立ちました。

今までの中で一番推敲をくり返した作品でした。
けれども選者の方々も指摘されていたように、やはりまだ整理しきれていないと思います。
私の中に甘さがあります、ことばに無駄な情をかけるのです。
本当にことばへかけてやるべき愛は
自分が「生んだ」ことばと、その場の流れが「書かせた」ことばを見極め、
後者を切り捨てることをいとわない気持ちなのでしょう。
書くことへ熱くなると、どうしても作品が長くなってしまいがちですが
それは全く作品のためになっていませんでした。
自分には難しいテーマだったから書きたいことが多かったから時間がなかったから惜しかったから周りが見えなくなっていたから
お前言い訳するなよ、と。
ことばは、正直に訴えるので
「書き手は甘えている」と読んだ人は手に取るようにわかるのです。

■対談合評

3時間半を超える論議だったようです。
投稿者の作品についての発言はもちろんですが
投稿欄のシステムや、選者の方のあり方をめぐる発言も興味深く読みました。
選ぶ側も大変な思いをして、入選・佳作を送り出しているんですね。
藤井さん、蜂飼さん、一年間お世話になりました。お疲れ様でした。
胸に刻んでおくべきおことばがたくさんありました。
特に藤井さんの発言で

まあ、高校生というのはだいたいみんな詩人だからさ、
そのなかで優秀なコンクールでもすれば百人くらい文月さんなみのひとはいるよね

私自身は現時点で少なくとも三百人以上はいると思います。
世の中には器用な子たちがたくさんいて、
模範的な作文がすらすら書けるような子は、“上手な”詩なんていくらでも書けるのです。
まぁ、そこには問題点があって
模範的な作文を書ける子は、そもそも詩を書かなくても世の中を渡っていけるという点です。
もちろん、真剣に書き手を目指している16歳の子たちもたくさんいます。
けれども、彼ら彼女らの存在を末恐ろしい、などとおびえている場合ではありません。
気迫で負けない、というだけではなく、実力でも劣るわけにはいかないのです。

また蜂飼さんは作品について

……
つまり推敲ということで、たとえば今月の作品を
一ヶ月なり二ヶ月先に読み返したときに
作者なりに直される部分がかなり出てくる可能性を含んでいる。

これはさっき書いたこととつながってきます。
受賞したといっても、未熟さが許されたわけではないのです。
“未熟”、便利なことばですが、これを使っていると
本当に自分が未熟なのか未熟ではないのかわからなくなりますし、
しらないうちにそのことばに甘えているような気がしてきます。
自分のこころの中にだけとどめておきましょう。
他の方が教えてくださったことも冷静に受け止め、
気づいたところから直していけばよいのです。

余談ですが、藤井さん節が炸裂していました。
読みながら、四股を踏みそうになりました。藤井さん、相撲が好きなんでしょうか。
選者であるご自分の立場について

裁判官なんだか弁護人なんだか検事なんだか、
何ですかね選者ってのは。兼ねてんだな。
先輩でもあるし、なんだろうなあ。
支援団体、NGOだね(笑)。

なるほど、NGOですか爆。
違う意味で忘れられません。

今後の抱負などは、以前の記事で言い尽くしましたし、
「月暈」のインタビュー企画や、
もうすぐ北海道新聞と毎日新聞
(ごめんなさい、まだこれからです。
どちらとも5月号発売に合わせて記事が出るようです)
にも小さく載ると思いますので控えます。

対談などをお読みになるだけでも面白いと思いますので、
5月号ぜひぜひ。



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by moonpower0723 | 2008-04-30 23:27 | 詩の仕事

文学少女は詩人をめざす


by moonpower0723