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「読書人」に対談・詩/手帖年鑑にエッセイ他/「ユリイカ増刊号 村上春樹」にエッセイ/「すばる」に書評

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喉には狐が住んでいて、切り裂かれたなら、たちまちこの身は尻尾を立てる。


タイトルですべてを表現しようとすると、怒涛なのです。

「週刊 読書人」12月10日号(発売中)にて
映画「ノルウェイの森」に関して
翻訳家の栩木伸明氏との対談
映画からインスピレーションを得た詩作品を執筆しました。


対談のお相手の栩木伸明氏は、アイルランド文学の研究・翻訳をされている方です。
試写会で映画を観た上で、「ノルウェイの森」の魅力について、とことんお話ししました。
栩木さんの読み解きには、誰もが深い感銘を抱くはず。
お話ししながら、自分の中の「ノルウェイの森」イメージが広がっていくのを実感して、
私にとっても、胸がいっぱいになる対談でした。
詩は思いがけず、対談の後に依頼をいただいたのですが、
映画や原作から詩的な何かを受け取っていたので、
作品を組み立てていくのも自然な流れでした。

11日に映画は公開されましたが、
映画をご覧になる前にぜひ「週刊 読書人」をチェックしてみてください!
書店文芸誌コーナーの棚に並んでいるかと思います。

***

現代詩手帖 2010年 12月号 [雑誌]

思潮社


今年も詩手帖年鑑の季節がやってまいりました。
エッセイ「一〇年代なんて、知らない。」
アンケート「今年度の収穫」を執筆した他
2010年代表詩選に詩「曲線を描くために」
(初出:東京新聞5月22日)を掲載していただきました。


エッセイはタイトルでおわかりのように、かなり反抗的な内容です。
アンケートで恭しくお礼なんかを綴ったことに対する反動でしょうね笑。
アンケートだけ見て「行儀が良すぎる」「(最近の若者は)大人に気をつかいすぎ」なんて
思われた日には結構傷つくので、エッセイもぜひ読んでやってくださいまし。
エッセイ内で、詩と散文の依頼件数を具体的に明かしてしまっていますが
(きっと本当は良くないことだと思う)、
詩の依頼が来ない、詩を載せてくれるメディアがない、
その実感を、危機的な状況として提示することにより、
詩の活路を開きたい、受け手にも開いてもらえるのでは――。
そのような目論見があり、あえて踏み込んでみました。
こんな風に表面的な部分だけを取り上げるのも心苦しく、浅ましいことだけれど
テキストだからデータは軽いし、スペースもとらないし、で
そういう面では、詩って結構使えるものだと思うんです。
詩書きたいんです。書かせてください(真顔)。

今年も代表詩選に掲載していただきました。編集部のみなさま、本当にありがとうございます。
アンケートも代表詩選も、何気に3年連続の掲載です。
アンケートは、この記事の末尾に実際の内容を転載いたします。
みなさん、詩集など読まれるときの参考にしていただければ嬉しいです。

***

ユリイカ2011年1月臨時増刊号 総特集=村上春樹 『1Q84』へ至るまで、そしてこれから・・・

村上 春樹 / 青土社



ユリイカ1月臨時増刊号 総特集*村上春樹」に
エッセイ「不完全な世界に住む不完全なひと」を執筆しました。


ちょっと長めのエッセイです。テーマが村上春樹氏のゼロ年代作品とのことだったのですが、
そもそも、私が村上春樹氏の作品に初めて触れたのは、
ゼロ年代半ばの2004年春(12歳)でしたから
リアルタイムに読み継いでいたわけではありません。なので、そのテーマは半ば無視ですね笑。
同誌には村上春樹氏へのメールインタビューが掲載されています。注目です。

前期は大学の授業、後期は「週刊 読書人」の対談と「ユリイカ」のエッセイのために……
今年はずっと村上春樹漬けでした汗。
授業では各回につきひとつの長編だったので、読んでくるだけでも骨が折れましたが
(特に「ねじまき鳥」「1Q84」などの三部作)、おかげで仕事にとても役立ちました。
インタビュー集を読んだり、全集などにも目を通しました。
村上氏の書き手としての姿勢には、色々と感じるものが多く、
はっとさせられる度に、蛍光マーカーで線を引いてしまいます。
作品もインタビューも付箋と黄色い線だらけで、机の上に積まれています笑。

***

すばる 2011年 01月号 [雑誌]

集英社



「すばる」1月号に、川上弘美氏の初句集
『機嫌のいい犬』の書評を執筆しました。


機嫌のいい犬

川上 弘美 / 集英社


ほっこりと心温まる素敵な句集でした。

はつきりしない人ね茄子投げるわよ

これなんて、めちゃくちゃかっこいい。

   

蛇を踏む (文春文庫)

川上 弘美 / 文藝春秋


川上氏の小説は、恥ずかしながら『センセイの鞄』しか読んだことがなく……。
今回の書評執筆の機会に、『蛇を踏む』を読みました。
芥川賞受賞作である表題作も
編集者さんにお勧めいただいた「消える」も素晴らしかったのですが
何より気に入ったのが「惜夜記(あたらよき)」。詩的な後味がくせになる一篇でした。
私なんかが今更申し上げるまでもないとは思うのですが汗、非常に味わい深いです。
一度読まれた方も、また読み返してみてはいかがでしょうか。
作品に対して、以前とは異なった印象を抱くかもしれません。



話すことがたくさんあるの… (世界の子どもライブラリー)

ジョン・マーズデン / 講談社


小学校5年の夏休みの読書感想文の宿題で、この本を扱いました(確か……)。
近頃、何かを書き出そうとすると、この本のタイトルを思い出すのです。
アマゾンでは表示されないけれど、 宇野亜喜良さんが装画を手がけていて、
絵の少女が憂鬱げなまなざしを投げかけてくる、超エキゾチックな表紙でした
(宇野さん×児童文学はたまらないっ。高田桂子とか今江祥智とか大好き!)。
精神を病んだ少女の心の揺らぎを描いています。

***

詩手帖年鑑のアンケートの内容を転載します。

問1:本年度に刊行された詩集のうち、印象に残った詩集。その理由。
池井昌樹『母家』(思潮社)
 磨かれた詩句だが、かたくなではないので、身を任せることができる。
金井雄二『ゆっくりと、わたし』(思潮社)
 詩と体感が同化するのを感じて、胸が高鳴る。
唐作桂子『断食の月』(書肆山田)
 暮らしに目を届かせている。母性が匂い立つ。
北爪満喜『飛手の空、透ける街』(思潮社)
 みずみずしく、氷のように削り取られた風景。
斉藤倫『本当は記号になってしまいたい』(私家版)
 埋め込まれた強烈な一打。あまりの痛快さに、ページをめくる手が止まらなかった。
管啓次郎『Agend'Ars』(左右社)
 詩法に対する闘いの姿勢が強烈。地を意識させられる。
高貝弘也『露光』(書肆山田)
 羽を手にした言葉なのだろう。掬い取るたび、舞い上がる。魅せられていく。
高木敏次『傍らの男』(思潮社)
 私を欺く私に出会う。鏡のような詩集。
渡辺めぐみ『内在地』(思潮社)
 「春を眠る」という一篇が印象強かった。

問2:本年度に発表された詩作品のうち、印象に残った作品。
高木敏次「影」(「現代詩手帖」七月号)
蜂飼耳「そよがせながらいざるとき」(「現代詩手帖」九月号)

問3:その他、ジャンルや形式を問わず、本年度関心を持ったもの。
今年は詩誌をいただく機会に多く恵まれた。
中尾太一「The Wheel」、清水あすか「空の広場」は個人誌としての個性が光っていた。井坂洋子、佐々木安美、高橋千尋の「一個」三号は、キュートなデザインから宛名シールの遊び心にまで、読み手への気遣い、工夫が見られた。高塚謙太郎主宰の「Aa」創刊号も面白く読んだ。今後が楽しみな詩誌である。
足を運んだイベントから。
「大野一雄頌――みちゆき」展(札幌・TEMPORARY SPACE)にて、上映された「石狩の鼻曲がり」の映像。
柏木麻里「蝶の行方」展(東京・森岡書店)
川上未映子講演会「「なぜわれわれの読書はこんなにも素晴らしいのか」(東京・早稲田大学)
吉増剛造写真展「盲いた黄金の庭」(東京・BLD GALLERY)
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェのスピーチ(国際ペン大会二〇一〇文学フォーラム、大隈講堂)
人との関わり。
「現代詩手帖」七月号に小特集を組んでいただいた。佐々木敦さんと対談、吉増剛造さんと往復書簡を行った。このようなかたちでプロの仕事に触れたことは、非常に得難い経験で、憧れが大きく膨らんだ。特集を支えてくださった方々へ、心からお礼を申し上げたい。
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by moonpower0723 | 2010-12-12 00:50 | 詩の仕事
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文学少女は詩人をめざす


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