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卒業式。

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 小中高と、私は何故か卒業前に賞をもらうことが多く、そのため、「本出たら買うからね!」「サインちょうだい」「ファンになりました」などの恐ろしい冗談で卒業アルバム後ろの白いつるつるしたページが埋めつくされて、それは私が卒業アルバムを開けない一つの要因になっているのだが、それぞれの寄せ書きに目を向ければ「○○とは、あまり話せなかったけど、楽しかったょ♥」などと弁解するような内容もあり、つくりごとしか綴れない臆病な私には、とても微笑ましく感じられるのだった。
 卒業式や何らかの行事の最中には、人との壁が緩くなり手がそこを突き抜けていくような幻想に陥りやすい。周囲と特に言葉は交わさなくとも、その場の空気に皆融和されていく。危ういバランスをとりながら“そのひと自身”の顔が垣間見えることもあって、私は行事は嫌いだけれど、壁が取り払われたような馬鹿馬鹿しい空気は嫌いではなかった。明日になれば壁は元通りに築かれており、空気から抜け出ることが苦手な私は、前日の勢いを残したまま、しばしばその壁に痛めつけられて呆然としたものだったが、「昨日のあれは何だったのだろう」と思い返すときの気色悪さに酔いしれるのもなかなか粋な体験だったように思う。
 卒業式は「どうせ最後だ」という開き直りなのか、先生と仲の悪い不良も頭(こうべ)を垂れ、存在感を示さないある眼鏡くんも「もう二度と会うことは無いと思いますが」とクラスメイトたちの前で胸を張るという暴挙に走り、笑いを誘うのだけれど、そんなときでも私はあたりさわりの無い言葉を口にして、たちまち皆の記憶から消されることを願うばかりなのだ。

***

今日、3月4日(木)の毎日新聞朝刊のひと欄に中原中也賞受賞に関して掲載されました。
(私はまだ現物を目にしていないのですが)
記者の千々部さん、丁寧に取材してくださり、ありがとうございました。
写真を撮ってくださった木葉さん、記事を見るのが楽しみです。

記事の本文はこちらで読むことができます。







みんなの寄せ書き。

クラスの子たちは「2年間or今までどうもありがとう」の連続です。
可愛い後輩たちは」(私の作品に対して)「大好きです」だって。私も君たちが大好き!←違

美術部3年が沢山書いてくれた中から抜粋と、勝手にコメント。

「いつも変で面白いのに
何故そんなすてきな
文章を紡げるの!
楽しかったよ ありがとう☆」

何故って知るかよ。。
これは喜んでいいのやら。
ともかくも、ありがとう★

「詩を書くあなたもぎゃーってなってる
あなたも絵を描いているあなたも
きゃーってなってるあなたも
好きです
ありがとー」

よくわからないが、
私も
ふぅわーってなってるあなたのこと好きだ。付き合おう!

「急ぎすぎると
見落としてしまうものって
たくさんあるよね。
ゆっくり歩こう。」

こういうポエムを書けないことがそもそも
私の見落としであり、過ちだという気がする。




   みんな元気で!
by moonpower0723 | 2010-03-04 21:56 | 詩の仕事

文学少女は詩人をめざす


by moonpower0723